2001年10月

我が家にジャンガリアンがやってきた。
ちょろBが亡くなったとき、せっちゃんが言った。
「もう、2度とハムスターなんて飼わない!」
悲しみから出た言葉だった。
ちょろBが亡くなってから、しばらくしてせっちゃんが転職した。
転職先は近所の某大型ショッピングセンター。
 
つくづく皮肉なことに、せっちゃんが配属されたのは
生活用品とペット用品の部署だった。
せっちゃんは否応なく、再びハムスターの世話をしなくては
いけなくなってしまったのだ。
そう、あの悪名高い大型ショップのハムスター売り場だ。
せっちゃんが勤め始めてからすでに数匹のハムが死亡しているらしい。
水槽のなかで、もの凄い数で多頭飼いされている。
虚弱なハムはエサさえ、ろくにありつけないようだ。
共食いされていることもあるらしい。
 
せっちゃんはよく憤っているが、新人さんなので
状況を変えることができない。(というか、新人でなくても無理だろう)
よほど経営者(若しくは現場管理者)に理解がなければ、
単価の低いハムにコストをかけることなどできまい。
広い部署を受け持っているので、あまりハムスターにかまっていられない。
そのうえパートさんだ。
休みも多い。世話をしている時間など殆ど持てないらしい。
せっちゃんもつらい立場なのだ。
「死んだハムを生ゴミといっしょに捨てようとするんだよー!」
せっちゃんは死んだハムを、植えこみのわきにお墓を作って
埋めてやっているらしい。
けっこう、よいおばさんだ。
ある日のこと
せっちゃんが帰宅した。(飼い主は休日だったのです)
なんだか情けない声で
「イジメられっこ、連れてきちゃったよぉー」と言った。
ゴンちゃん(←名無しのごんべえなのです)は
顔がスダレのようにボロボロで、片目がつぶれていました。
同時期に生まれた仔達の半分ほどの大きさで
とても小さなジャンガリアンです。
もしかすると、
長く持たないかもしれません。
でも、このまま死んじゃうんじゃ、
あまりにカワイソウです。

ごんちゃん記
ボクは、いつもいじめられていました。
ボクはみんなの半分くらいの大きさです。
眠ろうとすると踏んずけられて、遊ぼうとすると体当たりされていました。
エサもなかなか食べられませんでした。
大勢で一つの水槽の中に住んでいました。
明るくなって眠ろうとしても水槽をバンバン叩く人間のこどもがいたり、
大きな声で起こされたりしてなかなか眠れません。
みんないつも不機嫌でした。
ある日、癇癪を起こした仲間のひとりがボクに襲いかかりました。
ボクの顔にガブガブ噛みついてきました。
片目が見えなくなって、息もできなくなりました。
ボクは死んじゃうんだと思いました......。
気がつくとボクは一匹だけ別の水槽に移されていました。
死ななかったんだ....。
ボクは悲しくなりました。
生きていても楽しいことはありません。
体がうまく動きません。
顔がとってもイタイ。
頭がフラフラ。
......ぢぃ.......小さく一声泣いて、ボクは眠ってしまいました。
再び起きると、また知らないところにいました。
真新しいチップとエサの臭いがしました。
ボクはお腹がすいていたので夢中でエサを食べました。
「ご〜んちゃーん」
「おっ食べてる、食べてる」
聞いたことある声と知らない声がしました。
小さな声だったのであまり気になりませんでした。
「あっ、家がある!」ボクさっそく潜り込みました。
誰かが住んでたのかな?他のハムスターの臭いがしました。
でも、静かでとても居心地がよいのです。
ボクはまた眠りこんでしまいました。


「ご〜んちゃーん」
聞いたことのある声はいつもボクたちにエサをくれる人の声でした。
この人が連れてきてくれたんだ。ボクは少し嬉しくなりました。
「ごんちゃん、ごんちゃん」
聞いたことのない声はおじさんです。
毎日一声かけた後、ずっとボクの事を見てます。
ジィーーーー ............ちょっと気味悪いです。
ボクのキズは少しずつ治ってきています。
専用のトイレがボクのお気に入りです。
散歩も少しできるようになりました。
たまに不思議なハムスターがやってきます。
「ごんちゃん、ごーんちゃん、
 ご〜んちゃん
「あっ、こっち見たジョ」
「片目、つぶれてるデチ...」
「コラ、(ポコッ)
 あっ、コワがんなくてよいナリよー。
 お友達ナリー
やさしそうな声でした。
ボクも挨拶しないといけない。
勇気を出して
小さな声で挨拶を返しました。
「...ご、......ごんちゃー....」
3匹のハムは不思議そうな顔を
しました。
ボクは恥ずかしくなって
物陰に隠れてしまいました。

ボクは、顔にケガをしてこの家にやってきました。
片目がふさがってしまって、タイヘンでした。
でも、おいしいモノをたくさんたべて
どんどん元気になりました。
顔の傷も治ったヨ。
今では、ちゃんとお散歩できるほど
元気です。
なんか、ウレシイな。


ボクの名前はごんちゃん!
ごんちゃんって、ボクの名前だったんだ!!
ごんちゃんって挨拶だと思っていたよ。
いままで名前なんてなかったから、なんかウレシイな。
ごんちゃんなんて、ちょっと強そうでステキだ。
ウレシイな。ウレシイな。
ボクのなまえはごんちゃんだよ!
みんなに、アイサツしないとね。

幸せ気分のちぇりぼーハウスに見えたが、
この後、とんでもない出来事が!!
急転直下の事態にごんちゃん驚愕!
いったい何がおこったのか!?
どうなる!
ちぇりぼーハウス!!!
(↑ガチンコ風)
おちゃらけてるから
きっとたいした事ナイジョ。
まぁ、そーいうことデチ。