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| ちょーろBぃー |
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- 調子はどう?
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- 久し振りにおさんぽして
- 疲れちゃったのデチ。
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- そっかー。
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- でも、お話するくらいならよいデチよ。
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どんなお話デチか?
えーっと、「トロンボーン吹きのネズミ」っていう話。
えっ?それはトロンボーンを吹いてる人が飼っているネズミなのデチか?それともネズミがトロンボーンを吹くのデチか?
うん、両方なんだ。
ネズミがトロンボーンを吹いちゃうのデチか?
そう。
アハハハー、それは面白いデチ。わくわく。
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昔々、あるところにトロンボーンを吹く男の人がいました。
飼い主みたいデチ。
その男の人は一匹の白いハムスターを飼ってたんだ。
ますます、飼い主みたいデチ。
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| その飼い主はハムスターをとっても可愛がってて、ハムスターのために小さな小さなトロンボーンを作ってあげたの。
で、ハムスターがトロンボーンを吹いちゃうのデチね?
ううん、トロンボーンは難しいので全然音が出ない。
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| 出ないのデチか?
うん、難しいんだ。
難しいのデチ。
うん。
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| まあ、そんな飼い主はそこそこ幸せに暮らしていたんだけどね。ある日とんでもない不幸が二人を襲うんだ。なんと大地震が起こっちゃうんだよ。 |
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- ひゃあ、東海大地震デチか?
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- うん、東海大地震、震度8。
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- 震度8は大変デチ。
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- おまけに近所に原発とかあったんだ。
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- ウチといっしょデチね。
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- 原発事故とかも起こっちゃったわけ。
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| たまたま、その飼い主は出かけていて留守だったんだ。ハムスターの方も運良く無事だったんだけど、飼い主は帰ってこない。二人は離ればなれになってしまったんだ。 |
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- それはタイヘンデチ。
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- ちょろBだったらどうする?
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- 決まってるデチ。カイヌチを捜すのデチ。
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- そう、そのハムスターも飼い主を捜す為に旅に出たの。で、飼い主にすぐわかるようにトロンボーンを吹きながら旅をしようと思ったんだ。
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- でも、音が出ないのデチ。
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- うん、だから一生懸命ガンバッテ3つくらい音が出るようになった。ドとラとソ。
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- それじゃあ曲が吹けないデチねえ。
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- えーっと、こんなフレーズしか吹けなかった。♪ドードドー、ドドラソ、ドドッドー♪
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- あっ、それはびーびびー、ちょろB、びびっびーなのデチ。
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- 実はそのハムスターの名前もちょろBという名前だった。
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- えっ、そうなのデチか。
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- 旅の先々でハムスターはトロンボーンを演奏したんだ。
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- 震災後の不幸な人たちが大勢いたんだけど、その小さな白いハムスターの演奏を聴くと、少し心が癒されていくんだ。親とはぐれた少女には希望が芽生え、職や家が無くなった人達にはガッツが戻ってきたんだ。
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- どうしてデチか?
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- そのハムスターは、実は幸せのハムスターだったんだね。心をこめてトロンボーンを吹くとその幸せがすこしづつみんなに分け与えられたんだ。
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- でも、そうやって少しずつ幸せを分けながら旅をしたので、最初コロコロの大福みたいだった体はだんだん痩せてしまって、フサフサの白い毛は、だんだんハゲちょろになってしまった。
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- 放射能の影響かもしれないデチ。
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- そうだね。そんなになっても、飼い主に会いたい一心のハムスターは、トロンボーンを吹くのをやめなかったんだ。そして足にも力が入らなくなってきて歩くのもしんどくなってきてしまった。
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- ちょろBみたいデチ。
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- とうとう、ある橋のたもとで一歩も動けなくなってしまったんだ。ガリガリで毛並みは雑巾みたいにボロボロだし、足はケイレンしているし、通る人たちもそんなハムスターには見向きもしない。
- ハムスターは最後のお願いを神様にするんだ。
- そして本当に最後の演奏をしたんだ、心をこめて。
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- ああ、どうなったのデチか?ちょろBはどうなっちゃったのデチか?
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- ある男の人が橋のたもとに駆け寄ってきた。なんと離ればなれになった飼い主だったんだ。放射能事故があったので家に帰れなかったんだね。まさかハムスターが無事だったとは思わなかったんだけど、通りかかった橋でたまたま聞こえたメロディーにふと目をやると変わり果てたハムスターの姿を見かけたんだ。どんなに変わり果ててもすぐに自分のハムスターとわかったんだね。
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- カイヌチもわかるデチか?
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- わかるよ、ちょろBだったら。
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- それでどうしたのデチか?
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- 再開した二人はその後ずーっと幸せに暮らしましたとさ。
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- あー、よかったデチ。面白かったのデチ。
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- じゃ、そろそろ休んだほうがいいね、
- お休み。
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- お休みデチ。
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- カイヌチのお話はハッピーエンドだったけど、きっと、そのハムスターは最後に死んでしまったと思うのデチ。ちょろBは死んでもいいから神様に飼い主に会わせてくれるようにお願いするのデチ。神様は最後にお願いを聞いてくれたんだと思うのデチ。
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そういえば、朝、カイヌチが悲しそうな顔して覗きこんできたのは、そういうわけだったのデチね。ちょろBにお話した時には少しアレンジしたのデチね。
でも夢と違ってちょろBはずっとカイヌチといっしょにいられるのデチ。
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